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プロジェクト
南京芸蘭美術館







Yilanzhai Art Museum

所在地    中国,南京
設計・竣工  2003年‐2005年
主用途    美術館
建築面積   12,000m²
延床面積   21,032m²
構造・規模  鉄筋コンクリート,一部鉄骨造
       地下1階,地上3階



芸術は人間精神の表現である。建築も又、哲学そのものであり、人間精神の表現である。
芸蘭斉美術館は共生の思想を表現する建築である。
南京の明代の城壁のイメージが抽象化され現代建築としてよみがえる。
東西南北に配置された長壁は来館者のアプローチを示唆する。
壁は視野を限定し、人々の視線を一定の方向へ向かせる。その先に芸蘭斉美術館が存在する。壁には、注意深く配置された開口部があり、四つの領域は融合し、共生している。

芸蘭斉美術館は屋根の建築である。
江南地方の民家の幾重にも重なった屋根のイメージは抽象化され、現代建築としてよみがえる。
水平に重なる屋根は建築に変化と働きを与えるばかりではなく、その隙間から内部に自然の光を導入し、建築の内部空間に光と影の演出をつくりだす。


芸蘭斉美術館は水の建築である。
長江、秦淮河、玄武湖の水のイメージが抽象化され現代建築としてよみがえる。
水面は建築の床面と正確に高さが揃うよう計画され、水と建築が共生する。

芸蘭斉美術館は竹林の建築である。
竹林のイメージは抽象化され、正面の庇の細いランダム(不規則)な柱群やレストランの列柱として建築化されている。

芸蘭斉美術館は虚の建築である。
虚の建築は空気のように謙虚であるが、宇宙のように充実している。収蔵庫、展示室等を除き、美術館の公共スペースは透明なガラスで構成されている。内部と外部が連続し共生する。建築は周囲の自然、環境と同化し空気となる。

芸蘭斉美術館は先端技術美術館である。
芸蘭斉美術館では、最先端の空調システム、照明システム、収蔵システム、情報システム、セキュリティシステムが中国ではじめて導入される。

芸蘭斉美術館は世界的美術館である。
芸蘭斉美術館には、揚州八怪作品、林散之書道作品、金陵画派作品、明、清朝書道作品等優れた収蔵作品の常設展示があるが、中国全土はもとより、世界に開かれた企画展示や、国際的なオークションやアートイベントにも対応できる世界に開かれた美術館である。