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プロジェクト
吉運堂展示場




所在地    新潟県新潟市
竣工     2010年
主用途    展示場
建築面積   1,536m²
延床面積   1,642m²
構造・規模  S造/地上2階


設計の基本となる思想は「共生の思想」である。現代建築の技術と材料を用いつつ、日本建築の伝統的要素やディティールを取り入れ、歴史と現代を共生させる事を狙っている。

展示場は主に墓石を展示することから、全体に大屋根を架け、そのうち1/3をガラスで囲まれたインテリアとし、開放性と視認性の高い建築としている。インテリア部(展示室)は、国道側からのアピールと、冬期に強風をもたらす北風から展示場(半屋外)を保護する目的も兼ねて、国道沿いの北側に配置している。
この建物の重要な要素である屋根は、本社屋から全体を見渡すことができることから、屋根を見下ろした景観にも留意したデザインとした。モデュール化された屋根は、柱1本で最大限の面積を覆うことのできる「から傘」式の構造とし、このモデュールを組み合わせて全体を効率よく覆う形式とした。この組み合わせ形式は、屋根にリズム感を与えるとともに、将来的に増築が容易にできる利点がある。色彩は、日本の伝統色から濃い瓦をイメージさせる消炭色を採用し、壁はできるだけ透明ガラスを用いて存在感を消すと共に、パネル類の色彩もシルバーや白を基調とした色で対比させることにより、さらに屋根を強調させている。