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プロジェクト
クアラルンプール新国際空港










KL International Airport


所在地: マレーシア国セランゴール州セパン地区

設計/竣工 1992年‐1998年

設計: Malaysian Japanese Airport Consortium (MJAC)
黒川紀章建築都市設計事務所,Akitek Jururancang (Malaysia) Sdn. Bhd.,
パシフィック・コンサルタント・インターナショナル,Sepakat Seita Perunding Sdn. Bhd.
Ranhill Bersekutu Sdn. Bhd.,アーバンデザインコンサルタント,Arklandskap,
GK設計,Lim kok Wing Integrated

建築面積:158,642.00m²

延床面積:405,930.00m²

鉄筋コンクリート造,屋根部分鉄骨造

メインターミナル: 地下1階 地上5階
コンタクトピア: 地上4階
サテライト: 地下1階 地上3階


敷地は、クアラルンプール市内から直線で45km、計画中の高速道路で65km南東のセランゴール州セパンに位置する。現在使用中のスパン国際空港が将来に向けての拡張の余地をもたぬため、爆発的に増大し続ける航空客の需要予測に応えるため、新たに10km四方の世界最大級の新空港の敷地がゴムとオイルパームに覆われたなだらかな丘陵地帯に確保された。空港の規模を表現するのに年間乗降客数があるが、第1期工事では、2,500万人が予測され、将来の拡張計画は当プロジェクトの重要な要素となる。さらに第2期工事以降は、最大乗降客数4,500万人の予測のもとにターミナルビルのユニットを東西に増設する余地がデザインに取り込まれた。サテライトは乗降客数3,500万人の段階で西側に同じ形態でさらに増床され、ターミナルビルおよびサテライトとはTTS(トラック・トランジット・システム)で結ばれる。さらに6,000〜9,000万人の段階でターミナルビル・コンプレックスは北西側に線対称の形態で建設される。平面および断面計画では、ターミナルビルのユニットに採用したHPシェルの構造とその仕上げをデザイン上の核とした。意匠上の基本的コンセプトである “最新の技術とマレーシアの固有性の共生”の具体的表現はハイテクな造形とイスラミックな空間の共生を暗示している。スパンの長さの決定に関しては、チェックインカウンター相互の間隔およびフィートのモデュールなどから、 38.4×38.4mに決めた。断面的には建物の最高高さが航空法により規制を受けており、水面方向はスパン1mの長短、垂直方向は円錐形の柱の高さの設定が、微妙かつ重要な空間決定要素となった。天井の仕上げ材についてはHPシェルが直線材で構成されることから、不燃材の認定を受ける幅10cmで現地産の木材の突き板(金属板下地)の使用によりマレーシアの固有性を強調している。これらのマレーシアの個性は床の御影石(主に現地産)の幾何学パターンによっても繰り返し主張されている。またキーワードである“森との共生”は、ターミナルビルとコンタクトピアとの間にサテライトの中央の人工の熱帯雨林によって、見る人々にマレーシアの風土を実感させることだろう。さらに随所にハイテクなディティールを組み込むことによって21世紀における空港のひとつの提案を試みている。


* International Dedalo Minosse Prize (Grand Prize) 2003/2004
* Green Globe 21, 2004