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プロジェクト
Expo’70 タカラ・ビューティリオン




所在地: 大阪府、吹田市

設計   : 1968年
施工期間: 1968年2月 - 1970年3月
敷地面積: 1,000m²
建築面積: 298m²
延床面積: 1,237.6m²
構造: 鉄骨造
地下1階、 地上4 階


デザインコンセプト:

4層の上部構造の骨組みは、鋼管フレームが用いられて、ジャングルジムを思わせる立方格子が構成されて、それぞれの鉄筋コンクリートの樹幹から四方八方の空間に見事な樹枝を広げている。
柵や欅が巨大な幹から必要な限り枝を、更に小枝を空間に向かって拡げているように、必要に応じてこの樹枝に対応した上部構造を適宜平面的にも垂直方向にも自由に増殖し、また切除していくことが可能であるところに構成上の特色があるといえよう。
つまり必要に応じ、膨張し拡大し、あるいはまた収縮し減少することが可能である空間をメカニックに組立てること―新しい時代の一つの建築のあり方の追究にも通じる試みを、構造および構法技術の両面から検討を加えることができたと思っている。
上部構造は徹底したプレハブ化を計り、その建方の始まりから終わりまでの日数は、床、マド、屋根を含め、塔屋までの5層を出現させるのに、わずか6日間を要するに足るものとなった。
その主役をになう鋼管ユニットは、彎曲した12本の鋼管を垂直および水平面内に十字形に配置し、その彎曲部−つまり中心部に十字形に組み合わせられた鋼板を溶接することによって、一体化されるものである。

Expo’70 空中テーマ館 住宅カプセル




所在地: 大阪府、吹田市

設計期間: 1968年 4月 - 1969年 6月
施工期間: 1969年 7月 - 1970年 3月
延床面積: 3,890m²の一部
構造: 鉄骨造, 1 階
   地上 30 m の高さ
Expo’70 東芝 IHI館




所在地 : 大阪府、吹田市

設計期間: 1967年10月 - 1968年8月
施工期間: 1968年 9月 - 1970年3月
敷地面積: 6,440m²
建築面積: 3,030m²
延床面積: 4,849m²
構造: 鉄骨造,地下 2 階 地上2 階

デザインコンセプト:

パビリオンは、構造的に独立した次の4つの部分よりなる。
1.東芝IHI館を特徴づけている鋼板製の「テトラ・ピース」を立体トラス状に組み上げた3本のアーチ(テトラ・フレーム)と、テトラ・フレームの内側に吊り下げたようにあるドーム(グローバル)である。それは森の中から新しく生命が誕生するように、大きく息づく“まゆ”といえよう。そのグローバルの中は、9個の映写室と9面のスクリーンよりなる。
2.ドームの下に直径26mの昇降する床(昇降回転客席)がある。それは9面スクリーンよりなる劇場の床であり、500人の観客を乗せて森の中の“まゆ”の中に吸い込まれるように昇っていく。鉄骨の床は300tonの油圧ジャッキで支えられている。
3.昇降回転客席の下部構造と一体化された鉄骨平家建が敷地いっぱいにひろがっている。屋上は広場になっていてこのパビリオンの入口部分であり、客席への乗り口である。そして映画を観終わった観客は客席中央部より広場の下へ降りる。内部は昇降するシャフトを中心に展示広場になっている。
4.森を形つくるテトラ・フレームに使用したテトラ・ピースと同じもので組み立てた高さ50mの塔。これは東芝IHI館のメインアプローチの中央にある。

テトラ・フレームのエレメントであるテトラ・ピースは、正四面体の4頂点と重心が形づくる二等辺三角形の位置に、6個の三角形鋼板を配し、溶接製作したもので、三角形鋼板は自由縁が直線のものと、円弧状にえぐり取ったもの3種類の計4種類の形がある。このテトラ・ピースの頂点を接点とし、鋳鋼製の球ジョイントを介して立体的に組み上げたのが「テトラ・フレーム」である。