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千壽介護老人保健施設

千壽介護老人保健施設は、小さな木造住宅がひしめき合う北千住の下町に建つ。 ここに、街と共生する開かれた福祉施設として本計画を行った。 かつては染物工場であったこの地に、活気と憩いのある新たな福祉施設として、周囲の活性化に貢献する施設を目指している。
街になじんだ建物とする為に、高さのある南側と低層建築が並ぶ北側を緩やかに繋ぐ計画とした。北側の住宅地とのあいだには十分なバッファゾーンと植栽を設け、前面道路とのコーナー部の大きく開いたオープンスペースが人を導き入れる。ここに面する壁は緩やかな円弧を描き、やさしい表情を見せる。
フィン状に飛び出したコンクリートスラブは階毎に建物を分節し、更に上階に行くほどセットバックすることで高さの印象を和らげる。 この段々畑を乗せた曲面の壁に透明感を持たせることは、内部の開放感を得ることと同時に、外部に対しては存在感を薄める効果がある。また内部の活動が見えることで親近感を与えるだろう。 白から黒へのモノトーンの配色や縦格子モチーフの採用、そして十分に植えられた緑が、かつては宿場町であった千住地区との調和を図っている。

所在地

東京都足立区

主用途

福祉施設

設計期間

2010年4月−2011年9月

施工期間

2011年12月−2013年1月

敷地面積

2,278.13m²

建築面積

1,266.54m²

延床面積

5,788.40m²

構造

RC造

規模

地上6階