長崎歴史文化博物館
Nagasaki Museum of History and Culture
平面配置としては北側に本館展示棟、南側に奉行所復元部分を配置し、その中央にエントランスホールとしてのアトリウムを配置した。明快な動線を作る為にまず第一に中央のアトリウムに人々を導入し、ここから各エリアに入って行くこととした。
建物外観はこの博物館の大きな特徴である長崎奉行所立山役所の復元と調和させる為、和風のデザインで統一した。北側本館展示棟大屋根は2連の黒い切妻屋根として、南側低層の奉行所復元瓦屋根と呼応して建物全体のシンボルとなっている。本館展示棟3階企画展示室は4つの独立した展示室に分けられるようになっており、各展示室は外廊下ロビーから直接入れるようになっている。この外廊下は開放的なガラス張りでここからは奉行所復元部分の瓦屋根が一望でき、それ自体が大きな展示物となっている。ガラスカーテンウォール外側には遮光の為、黒い縦格子状のアルミルーバーが設置され夜間にはここから内部の光が漏れ、外壁ライトアップとともに効果的な光の演出となる。
モダンな和風デザインの本館展示棟と純和風奉行所復元部分を連結する中央アトリウム部分はこの二つの新旧対比する和のデザインを融和するガラスボックスとしてデザインされ、屋根はガラストップライトとなっている。このガラストップライトには太陽光発電素子が組み込まれており、一部電力を供給するとともに太陽光を九割以上吸収し、夏の空調負荷を低減している。

* 2005年 照明普及賞・優秀施設賞
* 2012年 第13回公共建築賞・地域特別賞
* 2012年 第13回公共建築賞・地域特別賞
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所在地
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長崎県長崎市
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設計・竣工
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2002年‐2005年
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主用途
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美術館博物館
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建築面積
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5,243m²
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延床面積
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13,322m²
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構造・規模
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鉄筋コンクリート造,鉄骨鉄筋コンクリート造,
鉄骨造,木造
地下1階,地上2階