ヴァンゴッホ美術館新館
New Wing of the Van Gogh Museum
本館はオランダの近代建築の祖リートフェルトの最後の作品である。その隣地、ミュージアム広場側につくられた新館である。 広場全体の景観上、地上のボリュームを最小限とするため、メインの展示室以外の、全体の75%の面積は地下に埋め込まれた。本館と新館は地下でつながっており、新館へは本館からアクセスする。 新館は、リートフェルトの直線の幾何学に対して曲線の幾何であり、両者とも近代建築の遺産である抽象性を共有している。新館には抽象的に日本の伝統が採り入れられている。 その一つは、新館の地下に設けられていた水のサンクガーデンである。新館と本館の間の中間領域としての間(マ)を創ることによって共生を可能としている。 もう一つは日本文化の非対称である。屋根には回転楕円体、壁には楕円が用いられているが、それらはいずれも中心をずらしており、非対称性が強調されている。抽象性の高い単純な幾何学形態を複雑に、且つ微妙に操作することによってグローバルスタンダードと文化のアイデンティティを共生させようとするアブストラクトシンボリズムである。

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所在地
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オランダ・アムステルダム
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主用途
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美術館博物館
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設計・竣工
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1990年‐1998年
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建築面積
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820.00m2
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延床面積
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5,000.00m2
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構造・規模
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鉄筋コンクリート造+鉄骨造(屋根)
地下1階 地上2階