EXPO’85
(外国館・電力館・東芝館・日本IBM館・三井グループ館)
Expo’85
Block G (外国館)
デザインコンセプト:
Gブロックの全体構成は、外国展示館6棟と民間パビリオン7棟が南北に細長く配置され、その中央に約500mに及ぶ歩行者空間が形成されている。東ゲートと南ゲートを結ぶこのG線通りには、建物に沿ってシェルター・サービス施設が設置され、アジア的にぎわいをもった道空間がイメージされている。
外国展示館は、19.2mX19.2mの細胞単位を基本ブロックとする立方体を連続させたメタボリズムの建築である。建物は2.4mを基本モデュールとする黒い鉄骨フレームに白い煉瓦壁パネルで構成され、障子で囲まれた日本的な空間が意図されている。

-
所在地
-
茨城県つくば市
-
主用途
-
展示場
-
設計期間
-
1983年9月 - 1984年6月
-
施工期間
-
1983年12月- 1985年2月
-
敷地面積:
-
29,797m2
-
建築面積
-
14,471m2
-
延床面積
-
17,097m2
-
構造・規模
-
Steel structure, Steel Moment Frame
1 storey, partly 2 stories
電力館
デザインコンセプト:
電力館は「エネルギーそして未来」をテーマに、パビリオンの外観のイメージは「エネルギーと人間の未来的共生」をテーマに、燃えさかる太陽のプロミネンスをかたどり、巨大なエネルギーである太陽と、人類の新たな太陽である原子力エネルギー表現しており、外観の構成はタワーを中心に、大小25の屋根はタワーからワイヤーとテントで結ばれており、タワーの先端は夜になると明るく輝き太陽の核融合を表し、一つ一つのテントは様々な一次エネルギーを示しワイヤーは一次エネルギーから二次エネルギーの変換を象徴している。
外壁、柱、梁は日常の工事仮設資材を使用し、解体後の再利用を可能としている。

-
所在地
-
茨城県つくば市
-
主用途
-
展示場
東芝館
デザインコンセプト:
通常の工法と通常の材料を用いて、新しい空間の表現を試みた。特に、工事現場などで使用されている仮設足場や、養生シート、防音パネルを化粧材に使用して、メタボリズム建築の仮設性を考慮した。工事完了時にもまだ工事中であるような感想を持った人が多かったようだ。日常性があるとき変質して、非日常化する。
その外観を構成する化粧部枠を、ひとつの規格部材に分解すると、1,600個の建材、100個の布枠、および950個のブレース、その他クランプ類に分かれる。そのまま再利用が可能なものである。まさに究極のリサイクル建築である。
平面計画上の特徴としては、○△□によって東洋的宇宙観を表現。これは、前漢時代の宇宙哲学書「淮南子」の天円地方説を引用、東洋の思想と現代科学の共生ということを象徴的に表現した。

-
所在地
-
茨城県つくば市
-
主用途
-
展示場
-
設計期間
-
1983年3月 - 1983年12月
-
施工期間
-
1984年3月 - 1984年11月
-
敷地面積:
-
4,500m2
-
建築面積
-
2,939m2
-
延床面積
-
3,967m2
-
構造・規模
-
Steel structure, partly reinforced concrete structure
1 storey
日本IBM館
デザインコンセプト:
日本IBM館は「科学する心を育む」-21世紀への遺産として、○△□を基本とした「シンボルテーマ」に定めており、○△□は種々の図形の基本として科学の原理・原則につながるものであると共に、東洋では○(円)は天体を、△(三角)は人間の思想を、□(四角)は地上あるいは物質を示すものとして、中国の天円地方設の一つでもあり、禅の精神にもつながるといわれている。
パビリオンの外観は中央に〇、中央の〇を包み込むピラミット形の△(三角)フレーム、平面を□で構成し、シンボルテーマをストレートに表現している。
中央の○(丸)となる球形部分は、直径32mの全天型のドームスクリーンと中央の直径5mの球形スクリーンによりる映像を回転移動しながら新たな映像体験が出来る。

-
所在地
-
茨城県つくば市
-
主用途
-
展示場
-
設計期間
-
1983年3月 - 1983年12月
-
施工期間
-
1983年2月 - 1984年12月
-
敷地面積:
-
3,600m2
-
建築面積
-
2,025m2
-
延床面積
-
3,630m2
-
構造・規模
-
Steel structure
4 stories
三井グループ館
デザインコンセプト:
高さ36.6mの二つの円錐(キャンバス地)を組み合わせたシンプルな外観を特徴とし、ふたつの円錐が作り出すMラインは、Mitsui GroupのMを表し、外観カラーは、円錐部分のブルーの濃淡により、滝のイメージを表現した。三角は火、情熱を表し、円は水、ファンタジーを表す東洋思想とパビリオンのテーマと適合させている。
正面の柱梁の足場フレームは、隣の東芝館が共通のグループであることで、両パビリオンの連続性をもたらせている。北側外壁においては、ブルーのパステルカラー5色を用い、滝の流れを表現する、リズムある外壁パターンとしている。両円錐の内部が第1ステージ、第2ステージとなっており、観客は、21人乗りのライドに乗って各ステージ間を移動する。第1ステージでは、コンピューター人形とリフレックス映像による演出、第2ステージでは高さ7m、幅40mの滝のスクリーンとして、視野200度のマルチ映像を展開している。

-
所在地
-
茨城県つくば市
-
主用途
-
展示場