中銀カプセルタワービル
Nakagin Capsule Tower
世界で初めて実用化されたカプセル建築。1960年代前後に、イギリスのアーキグラムグループや、フランスのポールメモン、ヨナフリードマン等、建築を脱構築して、その部屋をカプセルとして自立させたり、メガストラクチャーにカプセル建築をとりつける構想と同時代性をもっている。
ここでは、プレハブ(量産)でありながら多様性という新しい質を表現できるかどうかという新しい課題の対する挑戦と、自我の自立という個人主義を経ることなく近代化してしまった日本への批判として、自立する個の空間を目指している。
技術的には4本の高張力ボルトのみでコンクリートコアシャフトに取付けられたカプセルは、実際に取りはずして新しいカプセルと交換されるよう、技術開発がなされている。 カプセル建築は、単身者用の宿泊、デン(書斎)として想定されたが、家族用としては、数個を扉でつなぐことによって可能となるよう計画された。 カプセルの内装は、電化製品や家具、オーディオ、TV、電話まで工場でセットされ、現地でクレーン車によって吊上げれらてシャフトに固定された。
新陳代謝、取換え、リサイクルを実現したサスティナブル建築の原型でもある。

* 2006年 Docomomo Japan-日本近代建築125選に選ばれた。
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所在地
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東京都中央区銀座
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主用途
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集合住宅
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設計・竣工
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1970年‐1972年
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建築面積
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429.51m2
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延床面積
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3,091.23m2
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構造・規模
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鉄骨鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造
地下1階 地上11階および13階