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プロジェクト
在本邦インドネシア共和国大使館

全景           ©淺川 敏


歩道より望む


正面エントランス


歩道よりファサードを見上げる


ファサード詳細


グラフィックコンクリート
※設計者撮影


車寄せ


インドネシア産六方石の石積み


北面のPCルーバー


エントランスホール


査証待合ロビー


夜景

所在地   東京都品川区東五反田5-2-9
主要用途  大使館、共同住宅、自動車車庫
設計期間  2019年1月-2021年3月
工事期間  2021年4月-2023年11月
敷地面積  2,421.38m²
建築面積  1,307.80m²
延床面積  6,755.89m²
構造    鉄骨造 一部 鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造
規模    地下1階 地上9階
     

品川区の池田山の住宅地に60年以上あるインドネシア共和国大使館の建て替え計画である。従前の大使館は、耐震性が最新の法規に適合していないため、安全で機能的な大使館に建て替えることがコンペで求められた。
敷地条件としては道路側を除き、第一種低層住居専用地域のため10m以上は建てることが出来ない。そのため道路側の9階の西棟には、大使館の事務所機能と、ビザ及び公共サービスゾーンを計画した。住宅地側の3階の東棟には、イベントも開催できるエントランスホールや職員用の共同住宅を計画した。

敷地に隣接する高速道路の高架からの車の視線と西からの日差しを抑制するため、西方向にプレキャストコンクリートカーテンウォール板(PC板)を配置しながら、ガラスとPC版が交互に斜めに配置したファサードをデザインした。また階毎に千鳥にガラスとPC版を交互に配置したので、カーテンウォールの地震時や台風等の性能を実大性能試験によって安全性の確認を行った。

PC板の表面はインドネシアの伝統的な布であるバティックのろうけつ染めの工程を参照し、硬化遅延材を印刷したシートを打設時に使用してインドネシアのパターンを精緻に表現することを提案した。どのようなパターンにするかは、本国インドネシアの建築家と協働しながら検討し、西スマトラ島のミナン族の蝶と黄金虫を元にした伝統建築の彫刻で、持続的に財産を受け継ぐことを象徴するパターンに決定した。当初の意図の通り、近景では精緻な美しい柄が表現されており、遠景では斜めのストライプ柄がジグザグのファサードを強調している。このファサードがインドネシア共和国独自の建物の雰囲気を生み出すことを意図している。