トップ ごあいさつ プロジェクト 黒川紀章 略歴 活動 会社概要 採用 リンク
プロジェクト
ヴァン・ゴッホ美術館 エントランスホール増築





写真: Jan-Kees Steenman
所在地   オランダ・アムステルダム
主要用途  美術館
設計期間  2012年2月-2013年3月
工事期間  2014年4月-2015年9月
敷地面積  4,260m²
建築面積  1,550m² (新エントランス:730m²)
延床面積  5,730m²
      (新エントランスに関わる部分:1,720m²)
構造    鉄骨造、一部RC造
規模    地下1階、地上2階
      (新エントランスに関わる部分:地下1階、地上1階)

ゴッホ美術館では、1998年の新館(黒川事務所設計)開館時に年間100万人であった来館者が、今後数年で180万人まで増加すると見込まれた。
そこで、より快適で安全に来館できる環境を来館者に提供するため、メインエントランスを新館に移設増築することとなった。
また、この移設は美術館広場を活性化させるというアムステルダム市の都市計画上の目的も兼ねている。

建物の設計に際し、特に二つの点に留意した。一つは、本館(Gerrit Thomas Rietveld設計)等周辺環境を含めた美術館広場の景観に配慮しつつ、ゴッホ美術館の新たなエントランスとしての明確なアイデンティティを表現すること。もう一つは、新館のオリジナルデザインを維持また尊重すること。具体的には、新館の立方体の版画室は、エントランスホールのガラス屋根と離すことで、その形態は全て維持し、また同ホールと新館との間にギャップを設けることで、両者の違いを尊重しつつ緊張感を与えた。

エントランスホールのガラス屋根は、新館屋根の外周延長線を継続しつつ、同屋根の向きを反転した形状となる。また、地下1階レベルにあった屋外の池は、自然光の降り注ぐメイン空間(サービススクエア)となった。
来館者は、ガラスの壁と屋根を通じて既存本館や新館を眺めつつ、緩やかに湾曲したガラス天井のダイナミックな空間を体験する。