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プロジェクト
フラワーヒルミュージアム




Flower Hill Museum

所在地   和歌山県紀の川市
設計・竣工 1997年‐1999年
主用途   美術館
建築面積  806m²
延床面積  955m²
構造・規模 鉄筋コンクリート造
      地上1階



敷地は和歌山県の紀の川沿いの西野山にある。この町は、世界で初めて薬草による全身麻酔を使って手術に成功した医師華岡青洲の生誕地として知られている。
西野山は、その発展のため、華岡青洲にまつわる薬草の栽培を促進し、加工、また販売を通して、農業に技術導入することを目指しており、この博物館はそのような革新のための主要な施設となっている。
博物館建物は丘の上に立ち、南側の斜面にある農業公園を見下ろしている。 建物の配置は、斜面の等高線を意識して、地形条件や周囲の自然環境と調和する楕円形となっており、屋根の単純な円錐形は来館者に西野山のシンボルになっている花である曼陀羅花の形を思い起こさせる。
レストラン、多目的ホール、展示ホールや他の施設は、中庭にある波打つ水を湛える池を囲む廊下の周囲に配置されている。
柱なしの壁構造システムは、構造の三次元分析を元に採用し、これにより空間を最大限利用することができる。
エントランスロビーの天窓と北ウイング・南ウイング間は楕円をずらすことで隙間を作り、またレストランのテラスには広くて透明なガラスの張り出し屋根がついている。このようにして、屋外の景観、また自然による風、光、風を屋内にうまく取り入れ、透明で自然光がふり注ぐ建築としている。