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プロジェクト
白瀬南極探検隊記念館




所在地    秋田県
設計・竣工  1988年‐1991年
主用途    記念館
建築面積   1,005m²
延床面積   1,005m²
構造・規模  鉄筋コンクリート造
       地上1階


この記念館は白瀬南極探検隊を追悼し、代表的日本人南極探検家として知られている白瀬矗(のぶ)中尉の故郷、秋田県に建てられている。これは彼と探検隊員の偉業と功績、また極地の重要な記録を後世に伝えるべく建てられたものである。そこには若い世代に科学と探検の歴史を伝承し、彼らに壮大な夢とロマンを与えようという想いが込められている。
建物の構造は三角コーン型、軒高20mの記念館ホールと直径50mのリング状の展示スペースからなり、ファサードは打放しコンクリート仕上げである。
リング状の建物はエントランスホール、展示ホール、資料室、倉庫、事務室からなり、コーン型の建物は展覧会、シンポジウム、小コンサート等を行うイベントホールとなっている。この二つの建物の間には橋が架けられ、南北軸の役割も果たしている。このアプローチは来館者に認識しやすく、また建物の壮大な姿がより強調される南側の視界が開けた部分に位置している。この建物のパティオの床に設置されたノズルから創り出される水膜(派水盤)がパティオの床として多様に変化し、その屋外展示スペースに様々な表情を創り出している。
ファザードの窓と自然光の木漏れ日が外壁に表情を加え、同時にエントランスホール、ラウンジ、展示スペースに光を作り出している。更には今後、歴史と未来−個々とコスモとの間に存在する「合致」を表現するレーザービームがコーンの先端取り付けられる予定である。